妄想限界  薫×芳人26
オリジナルBL小説でございます。 同性愛の内容全開です。 不快になられる方はご覧にならないようお願いいたします。
妄想限界 
薫×芳人26
2007-11-01-Thu  CATEGORY: 長編
ひんやりとした感触で、現実に連れ戻された。
ああ・・・・生きてる・・・・。
自分の両手を見て、確かめる。
この手は確かに僕の手・・・・・。
確か、洗面所にいたと思って、立ち上がったけど・・・・・。
違う?
おでこから、はらりとタオルが落ちた。
冷たいタオル。
何これ。
よくわからない。ってか、ここってベッド?
何で僕、こんなところにいるんだろう。
って・・・また気持ち悪くなってきた。
ストレスにとても弱い僕は、いつもこんな風になっちゃって・・・。
壁を伝って洗面所まで行って、もう一度戻した。
はあっ・・・疲れた・・・・・。
顔を洗って、口を漱いで、ベッドへ逆戻り。
ああ・・・・。
僕、こんなになっていても、まだ生きている。
僕には、死ねないわけがあるんだ。
何があっても、絶対に生きていかなきゃいけない、理由が。
僕の中を覆い尽くす、真っ黒い闇を、その意思でかき消した。
だから、医者になった。
食うのに困らないように。
だから、僕はゲイであり続けている。
大切な家族を持たないよう。
そうだ・・・・・。
けど・・・やっぱり悲しい・・・・・・。
カオちゃんの顔を胸に描いたら、涙がとめどなく溢れた。
ベッドの中で声を殺して泣いた。
もう目覚めたくない。
カオちゃんに、会えないならば・・・・・・。


って言っても、目が覚める。
ぼんやりと周りを見たら、明るい日が差していた。
今・・・・・何日の何時・・・・?
仕事・・・そうだ。仕事はクビかな・・・・。
また引っ越さなきゃ。
ゆっくり体を起こして、ダイニングへ向かった。
とりあえず、水が飲みたくて。
ドアをゆっくりと開けた。
「芳人。大丈夫か?」
ダイニングの真ん中・・・・・。
いつもと同じ格好で、新聞を読んでいたカオちゃん・・・・。
目から、涙が溢れ出した。
「カオちゃんっ!カオちゃん!」
カオちゃんが、ここにいる。
今捕まえなくちゃ、どこかに行っちゃう!
僕は必死で、カオちゃんの胸に飛び込んだ。
泣いているせいで、力がはいらなくて、でも、離れたくなくて、きつくきつくカオちゃんに抱きついた。
「お、芳人。どうした?何だ?」
「カオちゃんっ・・・。カオちゃんっ・・・・・。えーーん!」
カオちゃんの手が僕を包み込む。
優しく抱きしめてくれる。
カオちゃんの胸。
暖かい現実・・・・・。
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