医師 募集 整体 技術 妄想限界   薫×芳人 迷い24

薫×芳人 迷い24

どれくらい時間が経ったろう。
多分、日付はすっかり回ってる。
にぎやかだった喧騒も無くなって、かなり静かな町並み。
カオちゃんが来ないことが、ショックなのか・・・悲しいのか・・・・・。
どうしてそんな風に思うのか、わからなかった。
携帯を握り締めて、こんなところに立ち尽くして、僕何やってるんだろう。
家は近いんだから、一旦帰って携帯に連絡してみれば済むことなのに。
それなのに、僕はカオちゃんに言われたことに、こんなにこだわって、ここを動けないでいる。
僕に会いたいといってくれたカオちゃんのことを、思い出している。
そっか・・・・・。
きっとそう。
考えたことはなかったけれど・・・・・。
僕・・・・・・。
自分のその気持ちを自覚した瞬間だった。
動けないのはそのせい。
帰れないにもそのせい。
僕がカオちゃんに会いたいんだ・・・・・・・。
カオちゃんが大切な友人だから?
それとももっと違う感情?
・・・・・いくら考えても、それはわからなかった。
でも、僕はカオちゃんに会いたかった。
今、ここに、カオちゃんに来てほしかった。
理由もないのにそう思うのが不思議でぼんやりとして、空を見上げた。
とても静かな夜は、カオちゃんへの思いを断ち切った夜の静けさに似てる。
自分自身に、気づいてしまう夜・・・・・。
ほんとに・・・・。
自分が馬鹿みたい。
会いたいという気持ちだけで、ここに何時間もいるなんて。
来ないかもしれない相手を、待っていられるなんて。
無意識にため息が出て、本当にもう帰らないといけないって思って、一歩を踏み出した時。
僕を通り越して、一台のタクシーが止まった。
その邪魔にならないように、2,3歩後ずさりしながら、見るともなしにタクシーを見ていたら。
カオちゃんが降りてきた。
慌てふためいて、きょろきょろしながら。
きっと僕を探してるの。
きっときっと。
だから、僕が何も言わなくてもきっと見つけてくれる。
僕の目を、カオちゃんの目が捉える。
そして、嬉しそうに微笑んだのと同時に、僕は強く強く抱きしめられた。
「・・・・・・遅刻だよ。カオちゃん。」
「・・・・・・・・芳人・・・・・・・・。芳人・・・・・・・・・。待っててくれたの?」
「・・・・・・そうだよ。・・・・・待ってた。」
そっとそっとカオちゃんの背中に腕を回した。
「・・・芳・・・・・・・。」
カオちゃんの鼓動が伝わってくる。
暖かいぬくもりは、僕がずっと待ち望んでいたもの・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・こんなことされたら、俺・・・・・・。・・・・・自惚れちゃいそうで・・・・・。怖い・・・・・・。」
カオちゃんの声が、耳元で響く。
「・・・・・・・・・・・僕もちょっと怖い・・・・・。」

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:すこ
はじめまして。すこです。
すこは酢こんぶの略です。

趣味で書き溜めたオリジナル小説を、思い切って公表しちゃってます。

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