薫×芳人 迷い23
たまには学会に顔を出して来い、って言われて、ポスター発表のために調べ物に通う毎日。
でも、普通に勤務はあるから、昼休みとか勤務後とかに図書館に行ってるの。
今日は図書館に着いたのが閉館ぎりぎりで、急いで借りたい本を選び出して、少し早いけど家に帰った。
何かあれば呼び出しがあると思うし。
病院と家はとても近いから。
で、借りてきた本で調べ物をしていたら、携帯が鳴った。
メールの着信。
今、調べ物がいいところだったから、見るのを止めておいた。
しろりんが、音が鳴った携帯の匂いをかいでる。
その仕草がかわいくて、笑っちゃうなあ。
しろりんは何も言わないけれど、一緒に暮らしてる上で、家族なの。
いつも一緒にいてくれる。
ぬくもりをくれるからね。
知りたいことが見ている本に載ってなくて、次の本に手を伸ばした時、また携帯が鳴った。
今度は電話。
呼び出し?って思って、画面を見たら、カオちゃんだった。
何だか、思わず笑っちゃうの。
カオちゃんって、こんなに連絡くれたっけ?って思うと。
流れた年月がカオちゃんを変えたのかもしれないよね。
通話ボタンを押して、耳に当てると、ざわざわとした音とカオちゃんの声が聞こえた。
「あ、芳?ごめんな。忙しいところ。」
「・・・ううん。・・・・・どうしたの?」
いつもは静かなところから電話をくれるから、今日はちょっと違うなって思った。
『今日さ、実はあの駅の近くで仕事してるんだ。・・・・・もうすぐ終わるから、帰りにちょっとだけでも会えないかと思って・・・・・・。・・・・・ダメかな。』
ちらりと時計を見たら、午後8時。
明日も日勤だから、あんまり長居はできないけど。
「・・・・・・ちょっとなら。・・・・どこに行ったらいいの?」
『また電話するよ。・・・じゃ。急にごめん。』
「ううん。・・・後でね。」
そして、電話を切って、さっき届いたメールを見たら、カオちゃんからだった。
“芳に会いたいな〜”って書いてあって、笑っちゃった。
何だか、カオちゃん、幼くなってる?
カオちゃんに対する僕の気持ちは、相変わらず恋愛とは違う。
でも本当に大切な友達だから、カオちゃんが僕を思ってくれることから、目をそらさないでいたい・・・・・。
呼び出されたカフェで、少しだけカオちゃんと会うことになって出かけた。
僕がカフェに着いたとき、まだカオちゃんは来ていなかった。
入り口に近いところに座って、紅茶を注文してカオちゃんを待つことにした。
しばらくは紅茶を飲みながら待ってたんだけど、どんどん時間が過ぎていって、こんなことなら資料を持ってきたらよかった、なんて思い始めた。
カフェにおいてあった、あまり興味のない雑誌を読み終わっても、まだカオちゃんは来なくて。
何かあって、これなくなったのかもしれないな。
カオちゃんは社長さんだし、忙しいのは今に始まったことじゃないから。
一応携帯を確認したけど、何も連絡ないし、こっちからかけるのも何だかだし。
帰ろう。
だってもう10時だもの。
会計を済ませて、外へ出た。
すっかり夜になっていて、でも、お店の明かりでそれなりに明るい駅前の商店街。
さてと。
来た道を歩きだそうとして・・・・。
僕はどうしてかためらってる自分に気づいた。
帰っていいの?本当に?
カオちゃんに会えなくてもいいの?
だって、今までカオちゃんが僕に嘘をついたりだましたりすることなんか一度もなかったの。
今日だって、遅くなるだけで、今ごろはこっちに向かってるかもしれないよ?
なぜか、カオちゃんのことが気になってしまって、僕はそこに立ち尽くしていた。
なぜか、足が動かなかった。
帰れなかった・・・・・。
でも、普通に勤務はあるから、昼休みとか勤務後とかに図書館に行ってるの。
今日は図書館に着いたのが閉館ぎりぎりで、急いで借りたい本を選び出して、少し早いけど家に帰った。
何かあれば呼び出しがあると思うし。
病院と家はとても近いから。
で、借りてきた本で調べ物をしていたら、携帯が鳴った。
メールの着信。
今、調べ物がいいところだったから、見るのを止めておいた。
しろりんが、音が鳴った携帯の匂いをかいでる。
その仕草がかわいくて、笑っちゃうなあ。
しろりんは何も言わないけれど、一緒に暮らしてる上で、家族なの。
いつも一緒にいてくれる。
ぬくもりをくれるからね。
知りたいことが見ている本に載ってなくて、次の本に手を伸ばした時、また携帯が鳴った。
今度は電話。
呼び出し?って思って、画面を見たら、カオちゃんだった。
何だか、思わず笑っちゃうの。
カオちゃんって、こんなに連絡くれたっけ?って思うと。
流れた年月がカオちゃんを変えたのかもしれないよね。
通話ボタンを押して、耳に当てると、ざわざわとした音とカオちゃんの声が聞こえた。
「あ、芳?ごめんな。忙しいところ。」
「・・・ううん。・・・・・どうしたの?」
いつもは静かなところから電話をくれるから、今日はちょっと違うなって思った。
『今日さ、実はあの駅の近くで仕事してるんだ。・・・・・もうすぐ終わるから、帰りにちょっとだけでも会えないかと思って・・・・・・。・・・・・ダメかな。』
ちらりと時計を見たら、午後8時。
明日も日勤だから、あんまり長居はできないけど。
「・・・・・・ちょっとなら。・・・・どこに行ったらいいの?」
『また電話するよ。・・・じゃ。急にごめん。』
「ううん。・・・後でね。」
そして、電話を切って、さっき届いたメールを見たら、カオちゃんからだった。
“芳に会いたいな〜”って書いてあって、笑っちゃった。
何だか、カオちゃん、幼くなってる?
カオちゃんに対する僕の気持ちは、相変わらず恋愛とは違う。
でも本当に大切な友達だから、カオちゃんが僕を思ってくれることから、目をそらさないでいたい・・・・・。
呼び出されたカフェで、少しだけカオちゃんと会うことになって出かけた。
僕がカフェに着いたとき、まだカオちゃんは来ていなかった。
入り口に近いところに座って、紅茶を注文してカオちゃんを待つことにした。
しばらくは紅茶を飲みながら待ってたんだけど、どんどん時間が過ぎていって、こんなことなら資料を持ってきたらよかった、なんて思い始めた。
カフェにおいてあった、あまり興味のない雑誌を読み終わっても、まだカオちゃんは来なくて。
何かあって、これなくなったのかもしれないな。
カオちゃんは社長さんだし、忙しいのは今に始まったことじゃないから。
一応携帯を確認したけど、何も連絡ないし、こっちからかけるのも何だかだし。
帰ろう。
だってもう10時だもの。
会計を済ませて、外へ出た。
すっかり夜になっていて、でも、お店の明かりでそれなりに明るい駅前の商店街。
さてと。
来た道を歩きだそうとして・・・・。
僕はどうしてかためらってる自分に気づいた。
帰っていいの?本当に?
カオちゃんに会えなくてもいいの?
だって、今までカオちゃんが僕に嘘をついたりだましたりすることなんか一度もなかったの。
今日だって、遅くなるだけで、今ごろはこっちに向かってるかもしれないよ?
なぜか、カオちゃんのことが気になってしまって、僕はそこに立ち尽くしていた。
なぜか、足が動かなかった。
帰れなかった・・・・・。



