妄想限界  薫×芳人 出会い2
オリジナルBL小説でございます。 同性愛の内容全開です。 不快になられる方はご覧にならないようお願いいたします。
妄想限界 
薫×芳人 出会い2
2008-06-30-Mon  CATEGORY: 中篇
嘘みたいな話だが。
「落ちましたよ。」
偶然乗った電車を降りた時、前を歩いていた人が、何か落とした。
拾い上げてみたら、なんと携帯電話。
慌てて、落とし主の肩を掴んだ。
薄い肩がこっちを振り向く。
ぐいと引き寄せて・・・・・。
あ・・・・・・!
ずっと胸から消えないままの、その顔が俺を見つめた。
茶色の優しげな瞳に、俺が映る。
「あ・・えっと。・・・・・・・?」
そういうと、顔を伏せて、そっと俺から離れた。
髪も茶色でさらさらと柔らかそうで。
うつむいたうなじが、とても白くて、どきん、とした。
胸がどきどきと高鳴る。
目の前に、俺の胸に焼きついている人がいる・・・・・・。
「・・・あの・・・・・・?」
ちらりとその人が俺を見る。
目に少し恐怖感が浮かんでいて、はっとした。
「あ、あの、コレ、コレ、落としましたよ?」
手に握り締めていた携帯電話。
差し出したら、その表情が、ぱあっと明るくなった。
「え?これ、僕のですか?・・・・ありがとう。」
にっこり微笑んだ笑顔。
頬が少し赤くて、俺から見えるまつげが長くて・・・・・・。
みとれて・・・・・・。
「あ、いえ・・・・・。」
初めて見る、思い人のいろんな表情に、俺の胸がせわしなく高鳴る。
この奇跡的な再開を、絶対に無駄にしたくない。
白い手が、俺の手から携帯電話を取ろうとする。
俺は、思わず、携帯電話を握り締めた。
「え?・・・・あの・・・・?」
訝しげな表情。
気持ちを隠さない表情に、見とれる。
かわいくて、胸が高鳴って、平静を保てない。
「・・・・・連絡先、教えてもらってもいいっすか?」
思わず言ってしまってから、その人の顔にはてなマークが浮かんでいて、はっとした。
これじゃ、俺、怪しいよ。
ナンパみたいじゃん。
「あ、あの、あの、俺は、こういうもんです。」
ブレザーの内ポケットから、名前と電話番号だけが書いてある名刺を取り出して渡した。
白い細い指が、名刺を受け取る。
「・・・・伊藤薫さん?」
「あ、はい。あの、コレって、何かのご縁があると思うんですよ。あの、俺、怪しいもんじゃなくて・・・・・。ええと。・・・・・あの・・・。」
何て言っていいかわからなくて、頭の中が真っ白になってくる。
すごく動揺して、鼻の頭に汗が浮かぶ。
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