妄想限界  薫×芳人 続編15
オリジナルBL小説でございます。 同性愛の内容全開です。 不快になられる方はご覧にならないようお願いいたします。
妄想限界 
薫×芳人 続編15
2008-03-12-Wed  CATEGORY: 長編
「芳。」
「ん?」
カオちゃんが僕の髪をなぜる。
大きな手が気持ちよくて、目を閉じた。
「・・・・ネクタイ、どうかしたのか?」
唇に湿った感触。
あ、って思った。
そうだ、僕。
洗面所に置きっぱなしにしちゃったんだ・・・・・・。
「ごめんなさい。大切なネクタイなのに。カオちゃん。」
カオちゃんを見つめたら、ちょっと慌ててカオちゃんが言った。
「いや、それは別に構わない。・・・・・芳、ネクタイで何してた?」
僕の顔がよく見えるように、カオちゃんが僕の前髪を指で除ける。
「うん・・・・・・・。」
カオちゃんが心配してくれてるんだ、ってわかったから、ネクタイをしようとしてダメだったことを話した。
「・・・・そうか。・・・・・そんな無理するなって。・・・・・な?」
優しいカオちゃん。
僕のことを、絶対に呆れない。
「・・・うん・・・・・。でもね、カオちゃん。」
「ん?」
カオちゃんの手を握った。
カオちゃんが傍にいてくれるってことを、僕はずっとかんじていたいの。
「・・・・・お母さんのこと、やっぱり吹っ切れてないのかな、って思ったら、ちょっとショックだったの。・・・・・・僕・・・・・・。頭ではきちんと分かってるのに、身体が拒否しちゃって・・・・・・。」
綺麗な気持ちでいることの幸せを知っちゃったから。
今日感じたわだかまりみたいなものが、心に引っかかる。
「芳。」
カオちゃんが僕の頬をなぜる。
優しく、確かめるような、触れるだけのキスに、心が少しずつ落ち着いていく。
カオちゃんの匂いがして、手が暖かくて・・・・・。
「・・・・・俺が何を言ってもほんと、説得力ないけどさ。」
カオちゃんはそう言うと、僕を抱きしめた。
「・・・・・長い間、辛かったから、忘れるのは簡単じゃない。・・・・・でも、いつの間にか、サングラスをしなくても大丈夫になったように、いつか・・・・できるようになる。それまでは、無理するな。・・・・・・ずっと傍にいるから。・・・・・そんな顔するな。」
腕の力が強い。
カオちゃんの思いが、胸に流れ込んでくる。
弱い僕を、強くしてくれるのは、カオちゃんがいてくれるから。
嬉しくて、なんだかほっとして、涙がこぼれた。
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