うつむいて、泣きそうな気持ちを持て余していたら、狩野君が僕の髪をなぜた。
びっくりして、顔をあげる。
狩野君は、僕の髪から手を離すと言った。
「カオちゃんが心配するよ。・・・・もう帰ったら?」
「・・・・・う・・・・。」
うん、って言おうとして・・・。
狩野君のカオちゃん、って言葉に、目の前がかすんで我慢していた涙がこぼれた。
「・・ごめん。・・・・・・あは・・・・・。」
指先で落ちてくる涙をぬぐった。
でも、ぬぐってもぬぐってもどんどん溢れてきて、もう何が悲しいのかわかんない。
「どうしたの?クビにでもなった?」
狩野君に首を横に振った。
そのほうが楽だったかもしんないよ。
「昇進、ってうわさですけど。・・・・違うの?」
ふわっとタバコの香り。
「・・・・・違わないけど・・・・・。僕・・・・・お仕事が忙しくなったら、カオちゃんと会えない。・・・・今でもお休み合わないのに。お話しも全然できないのに。どうしよう・・・・・。」
本とは、僕、カオちゃんといつも一緒にいたい。
お仕事なんかしたくない。
だけど・・・・それは無理だし・・・・・。
でも・・・・・・。
「・・・・一緒に住んでるんでしょ?大丈夫だよ。」
「・・・・・でも・・・・でも・・・・・。寝顔しか見れないの。・・・・朝も夜も全然会えなくて・・・・・・。一緒のお休みなんかタマにしかないの。」
狩野君は、ふうってため息をつくと、思い切るように言った。
「オレと勇太もそんな感じです。・・・・・寂しいけど、オレは頑張るよ。・・・・オレたちは男同士だし、お互いに大切なことはたくさんあるから。頑張ってる姿を見せることが、互いに励みになるんですよ。」
「・・・・・・・うん・・・・・。」
狩野君の言うことは、よくわかる。
でも、僕は自分の寂しさが一番前に出ちゃっていて、理屈じゃもうどうしようもないくらい。
不安や恐怖や、寂しさ。
そんな気持ちで一杯。
「会えないわけじゃないじゃん。・・・・・カオちゃんは勇太よりはもっと忙しいだろうけどさ。カオちゃんのことだから、なんとしても先生との時間を作るって。」
「・・・・・・うん・・・・・・・・。」
忙しいカオちゃん。
確かに、どんなに忙しい時だって、カオちゃんは僕に会いに来てくれていた。
一緒に暮らし始めてからも、僕の気持ちが不安定な時は、お仕事そっちのけで傍にいてくれた。
カオちゃんのことを、信じられるよ。
でも、でも・・・・。
きっと僕が女々しいの。
カオちゃんにいつでも束縛されていたいし、愛してると言って貰いたい。
傍にいて、カオちゃんを見つめたいの。
「・・・・早く帰ったほうがいいよ。先生。・・・カオちゃん心配してるよ?」
狩野君に言われて、はっとした。
「今何時?」
白衣の袖で顔をぬぐって。
「今?今、もう2時になるよ。」
「えっ!大変!帰らなきゃ!」
カオちゃん、きっとすごく心配してる。
前の、あの事件があったから、きっときっと!
思って、急いで立ち上がった。
「ごめんね!狩野君!ありがと!お疲れ様!」
「はーい。気をつけてね、先生。」
「うんっ!」
大急ぎで、屋上のドアを開けて、ロッカールームまで階段を駆け下りた。
忙しそうなERを通り過ぎて、僕は走って家に帰った。
びっくりして、顔をあげる。
狩野君は、僕の髪から手を離すと言った。
「カオちゃんが心配するよ。・・・・もう帰ったら?」
「・・・・・う・・・・。」
うん、って言おうとして・・・。
狩野君のカオちゃん、って言葉に、目の前がかすんで我慢していた涙がこぼれた。
「・・ごめん。・・・・・・あは・・・・・。」
指先で落ちてくる涙をぬぐった。
でも、ぬぐってもぬぐってもどんどん溢れてきて、もう何が悲しいのかわかんない。
「どうしたの?クビにでもなった?」
狩野君に首を横に振った。
そのほうが楽だったかもしんないよ。
「昇進、ってうわさですけど。・・・・違うの?」
ふわっとタバコの香り。
「・・・・・違わないけど・・・・・。僕・・・・・お仕事が忙しくなったら、カオちゃんと会えない。・・・・今でもお休み合わないのに。お話しも全然できないのに。どうしよう・・・・・。」
本とは、僕、カオちゃんといつも一緒にいたい。
お仕事なんかしたくない。
だけど・・・・それは無理だし・・・・・。
でも・・・・・・。
「・・・・一緒に住んでるんでしょ?大丈夫だよ。」
「・・・・・でも・・・・でも・・・・・。寝顔しか見れないの。・・・・朝も夜も全然会えなくて・・・・・・。一緒のお休みなんかタマにしかないの。」
狩野君は、ふうってため息をつくと、思い切るように言った。
「オレと勇太もそんな感じです。・・・・・寂しいけど、オレは頑張るよ。・・・・オレたちは男同士だし、お互いに大切なことはたくさんあるから。頑張ってる姿を見せることが、互いに励みになるんですよ。」
「・・・・・・・うん・・・・・。」
狩野君の言うことは、よくわかる。
でも、僕は自分の寂しさが一番前に出ちゃっていて、理屈じゃもうどうしようもないくらい。
不安や恐怖や、寂しさ。
そんな気持ちで一杯。
「会えないわけじゃないじゃん。・・・・・カオちゃんは勇太よりはもっと忙しいだろうけどさ。カオちゃんのことだから、なんとしても先生との時間を作るって。」
「・・・・・・うん・・・・・・・・。」
忙しいカオちゃん。
確かに、どんなに忙しい時だって、カオちゃんは僕に会いに来てくれていた。
一緒に暮らし始めてからも、僕の気持ちが不安定な時は、お仕事そっちのけで傍にいてくれた。
カオちゃんのことを、信じられるよ。
でも、でも・・・・。
きっと僕が女々しいの。
カオちゃんにいつでも束縛されていたいし、愛してると言って貰いたい。
傍にいて、カオちゃんを見つめたいの。
「・・・・早く帰ったほうがいいよ。先生。・・・カオちゃん心配してるよ?」
狩野君に言われて、はっとした。
「今何時?」
白衣の袖で顔をぬぐって。
「今?今、もう2時になるよ。」
「えっ!大変!帰らなきゃ!」
カオちゃん、きっとすごく心配してる。
前の、あの事件があったから、きっときっと!
思って、急いで立ち上がった。
「ごめんね!狩野君!ありがと!お疲れ様!」
「はーい。気をつけてね、先生。」
「うんっ!」
大急ぎで、屋上のドアを開けて、ロッカールームまで階段を駆け下りた。
忙しそうなERを通り過ぎて、僕は走って家に帰った。
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