妄想限界  200803
オリジナルBL小説でございます。 同性愛の内容全開です。 不快になられる方はご覧にならないようお願いいたします。
妄想限界 
薫×芳人 続編32
2008-03-31-Mon  CATEGORY: 長編
僕達の心の傷は深く、敏感で、忘れることなんかできないものなの。
カオちゃんの気持ちが痛いくらい伝わってきて、涙が零れ落ちた。
「・・・・・カオちゃん。・・・・カオちゃん。・・・・・・うっ・・・・・。」
切なくて、涙が次々にこぼれる。
お母さんに会えること、本当はいいことなのかもしれない。
感動の再会、なんてものもあるのかもしれない。
だけど・・・・・。
僕達にとって、いいことだけでは済まされない。
一度捨てられた僕らの心には、大人が思うよりも深い傷ができてしまっているの。
「芳。・・・・芳人。・・・・・っ・・・・・・。」
カオちゃんに抱きしめられて、抱き合ったままソファで泣いた。
カオちゃんの寂しさを思った。
僕の寂しさを思った。
自分しかない人生で、どんな時も甘えるすべさえなかった。
強がって、頑張って、やっとこうして抱き合える人と出会えた・・・・・。
辛い時でも、苦しい時でも、僕らは自分だけが頼りだったの・・・・・。
そんな精一杯の暮らしを、今更もう変えられない。
堪えるカオちゃんの嗚咽が悲しかった。
思い切り泣ける場を、今まで持てず、こうして声を殺して泣くしかなかったの。
どんなに親を思っても、僕らには与えられなかったから・・・・・。
2人で思う存分泣いて・・・・・・。
「・・・・・・・会うの?」
「・・・わからない。・・・・・・会ってみたいような、怖いような気持ちだ。」
「・・・・うん・・・・・。」
僕の胸にうずまったままのカオちゃん。
愛しくて。僕は、カオちゃんの髪を丁寧になぜる。
「・・・・・カオちゃん。・・・・僕がいるよ・・・・?・・・頼りないけど・・・・・・うん・・・・。僕がいるから。」
もう一人じゃないから、カオちゃん。
僕達はずっと一緒だから。
「ああ。・・・・ありがとう。芳人。・・・・・・・愛してる。」
見詰め合って、キスをした。
熱い唇。
カオちゃんがどんな選択をしても、例え、お母さんのもとへ戻ろうとも、僕はカオちゃんのそばにいる。
カオちゃんと愛し合ってきた月日は、僕に確かに存在するの。
カオちゃんと2人で作り上げてきた日々を、僕はこれからも続けていきたいから・・・・。
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